キルト生地とはどんな生地で、何に向いているのかを生地屋・手芸店・店長の石井がご紹介します。キルト生地といっても表地・綿・裏地の組み合わせで様々な種類があります。この記事では当店がオリジナルで作ったキルト生地について紹介します。
もくじ
キルト生地・キルティング生地とは?
キルト生地は表地・中綿・裏地の三層からなる生地です。
1枚では薄い生地もキルト加工することでしっかりとした生地に変わります。
もともとは防寒用の生地として開発されましたがミシンで縫った後が模様になることを活かし、現在では装飾的な意味合いも強くなりました。
3層を繋ぎ止めるだけならば、直線でマス目に縫えばいいだけですが、様々な技法が開発され、日本ではハワイアンキルトが流行しました。ハワイアンキルトといえばキャシー中島さんが有名ですが、最近は息子の勝野洋輔さんが手芸男子として手芸番組に出演されていらっしゃいます。手芸男子といえば、ラ・ラ・ランドに出演されている俳優のライアン・ゴズリングさんも編み物をされるそうで、海外だとメンズニッターは結構いらっしゃるそうですね。
話がそれましたが、ここからはキルティング生地の特徴について紹介します。
キルト生地・キルティング生地の特徴
厚みのわりに軽い
厚みのある生地は基本的にはどれも重いですが、キルトは表地・中綿・裏地を縫い合わせて厚みをだしているので、厚みの割には軽い生地になります。バッグをしっかりさせたいけれど、軽い内布を探している、そんな場合にもおすすめです。
3層になっていて丈夫で長持ち
1枚では心もとない薄い生地もキルティング生地にすることで、しっかりとした丈夫な生地になります。画像はブロード生地ですが、キルティング生地になり一枚でバッグに使えるような生地になりました。
中綿が入っているので温かい
もともとは防寒生地として開発されたキルティング生地。中綿の空気の層が外気を遮断してくれるので温かいです。コートの裏地や半纏などにも使用されています。
入園グッズほか様々なものに使いやすい
鍋敷きやミトンなどのキッチン雑貨、半纏、コートなどの裏地、レッスンバッグ他入園グッズ、防災頭巾など、幅広い用途に使用できます。キルティングには無地の上を縫うだけのキルティングと、ハギレなどをつなぎ合わせて模様を作っていく、パッチワークキルティングがあります。ハワイアンキルトはこのパッチワークキルティングの技法を用いて伝統的なハワイの図案を作っていきます。額に入れて飾る、クッションカバーにするなど幅広く楽しめます。
厚手の生地の中では洋裁初心者さんでも扱いやすい
厚手の生地といえば帆布が代表的ですが、8号以上の糊がついたような硬い厚手の帆布は初心者さんにはややハードルが高いです。家庭用ミシンでは持ちての生地が重なる部分が縫えないなどのトラブルが起こりがちですが、キルトは厚いように見えても中綿が厚いだけなので家庭用ミシンでも十分縫うことができます。
シワに強い
1枚では比較的シワになりやすいコットンブロード生地なども、キルティング加工すればシワに強い生地に変わります。シワに強い生地を探している方は用途が合えば、キルティング生地も検討してもいいでしょう。
キルト生地・キルティング生地のおすすめ用途
レッスンバッグ、シューズケース、防災頭巾カバー、ピアニカカバーなどにおすすめです。
ほかにも、軽くて厚みのある生地が欲しいときにもおすすめです。
キルト生地・キルティング生地の作例
キルティングの種類
オックスキルティング | ハリのあるオックス生地をキルティング加工した生地 |
ブロードキルティング | やや薄手のブロード生地をキルティング加工した生地 |
シーチングキルティング | 普通地ほどのシーチング生地をキルティング加工した生地 |
綿ポリキルティング | 普通地ほどの綿ポリ生地をキルティング加工した生地 |
ガーゼキルティング | やや薄手のガーゼ生地をキルティング加工した生地 |
それぞれ硬さや厚みが若干異なりますが、レッスンバッグなどならそこまで気にする差ではなく、どれを使っても問題有りません。
全針キルト、半針キルトってなに?
商品名に全針キルト、半針キルトという文字が入っていることがあります。
大きなマス目のものを半針キルト、小さなマス目のものを全針キルトといいます。
全針、半針による生地感の違い
全針のほうがよりしっかりとした生地感になります。
一方、半針はふわっとした生地の柔らかさが残る生地感です。
若干の違いはありますが、そこまで大きな差はないので見た目の好みで決めていただければ大丈夫です。作品の大きさによって、それぞれ使い分けましょう。
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