夏休みの自由研究にも最適な布ぞうりの作り方をご紹介いたします。
むずかしい作業もほとんどありませんので、お子さんでも簡単に作ることができます。
いらなくなったTシャツやフリースなど、いろいろな素材を使って親子で一緒に作ってみてはいかがでしょうか。
制作時間30分 難易度★☆☆
もくじ
準備するもの
- 布(着なくなったTシャツなど2〜3枚)
- 前坪の布(4cm×30cmを2本)
- 鼻緒用の布(7cm×60cmを2本)
- PPロープ(直径8〜10mm 太めがおすすめ)180cmを2本、50cmを2本
- 洗濯ばさみ(クリップなど)
- 針金ハンガー
- ミシン(手縫いでもOK)
- ハサミ
- コロコロオープナー
- 糸
- ものさし
- 目打ち
- ループ返し(我が家にはないので菜箸で代用)
今回使う生地
早速、布ぞうりを作ってみよう
布ぞうり作りには大きく分けて7つの工程があります。
- Tシャツをカットしてヤーン(ひも)を作る。
- 針金ハンガーとPPロープで簡易織り機を準備する。
- 布ぞうりの本体を編む
- 前坪を作る
- 鼻緒を作る
- 本体に鼻緒を取り付ける
- 余分にはみ出した布等を処理して仕上げる
この工程についてゆっくり見ていきましょう
1.Tシャツをカットしてヤーン(編みひも)を作る
今回は使い古したTシャツを利用します。
シャツを広げて、使う部分をカットします。
下記写真のガイドラインを目安にハサミを入れていきます。
胸より上、下部は今回使いません。
腹巻状に切り取ったTシャツの左右どちらでもいいので片方の脇をカットしておきます。
長さに左右差がでないように最初に半分にしておきましょう。
ガイドラインに沿ってカットし、6本のひもを作ります。
今回は6.5cmくらいの幅になりました。
Tシャツの大きさによって変わりますが大体6〜7cm幅あると良いです。
下記写真のガイドラインに沿って細長いひも状に数本切り取ります。
切り取ったひも状の布をひっぱって丸みを出します。
自然と”くるりん”と丸まります。
この際、切りクズ等がたくさん出て服や床を汚してしまいます(><)
お持ちでしたらコロコロ(粘着シート)などでお掃除してくださいね。
布ぞうりを左右作りますので、出来上がったヤーン(ひも)は半分に分けておきます。
2.針金ハンガーとPPロープで簡易織り機を準備する。
針金ハンガーを、下記画像のように折り曲げてPPロープをひっかける部分を作成します。
針金ハンガーのフックを柱などにかけて固定します。
今回はポールハンガー掛けにかけてみました。
次に、長さ180cmのPPロープを1本用意し、緩めに結んで輪を作ります。
1回ひねって、輪が2つになったら折りたたんで二重の輪っかを作ります。
ここでPPロープをあえて緩めに結ぶ理由は、作業後半でロープをほどいて行う作業があるからです。あくまで仮止めの役目なのできつく結ばないでくださいね。
結び目の方を手前に持ってきて針金ハンガーにPPロープの輪をひっかけ、
PPロープが交差しているところを洗濯バサミで固定する。
簡易編み機の完成です。
織り機の指の入れ方は基本こちらのようになります。
3本の指でそれぞれレーンに通します。
編んでいく最中は、常に指を入れておく必要はありません。
3.布ぞうり本体を編む
編む前の準備
結び目のあるPPロープを上によけて、もう一方のPPロープに編みひもを取り付けます。
下記写真のように配置した黄色の編みひもの輪の中にくぐらせます。
編みはじめのひもを5cmくらい垂らし、強くひっぱってひもを固定し2本とも下方に持ってきます。
この状態で編み始めるための準備が整いました。
先ほど通した編みひもを2本とも、結び目のあるPPロープの下に垂らします。
編みはじめ〜2段目以降
右から一番目と2番目のPPロープの間から長い方の編みひもを下から引き上げ、一番右側のPPロープに外から内へ編みひもを1周巻きつけます。
お隣のたて糸(PPロープ)に上下上下と交互に編みひもをくぐらせます。
編む作業は同じことの繰り返しになります。力加減を均一にしないと凸凹した布ぞうりになってしまいます。味わいがあってそれでも良いのですが、出来上がりを気にしたい方は、くぐらせる毎に軽く全体を引き寄せ、横幅も広げたりしながら編んでいってくださいね。出来上がりの長さや幅はお好みです。
編みひものつなぎ方
色を切り替えたり、編んでいくうちに短くなって次の編みひもが必要になってきます。
できるだけたて糸(PPロープ)の真ん中あたりで布草履の裏側に5〜6cm残して垂らし、続いて新しい編みひもで編みはじめます。
新しい編みひものスタート位置には注意してください!
編み終えのひもは必ずたて糸(PPロープ)の真ん中から裏に垂らしてくださいね。(もし真ん中に垂らすすつもりの布がずれていたらどこかで編み間違いが発生しています。そうならないように、都度確認しておいてください。)
布ぞうり本体が編み終わってから裏の処理をしますので今、裏がごちゃごちゃしてても気にしないで大丈夫ですよ。
時々、編みひもを指でグッと引き寄せ、幅をつけるために横にも引っ張ります。
次の編みひもに引き継ぎます。
必要な長さが織り上がりました。
かかとの始末
必要な長さまで編み終わったら最後あと4段ほど編んでいきます。
その際、だんだんすぼめていくようにきつめに編んでいきます。
最後は真ん中から裏側に編みひもを垂らします。
針金ハンガーに引っかけていたPPロープ、挟んでいた洗濯バサミを外します。
緩めに結んでいたPPロープをほどき、形崩れしないように布ぞうり本体を押さえながら1本ずつPPロープを引っ張ります。
反対側も同じように、形が崩れないように押さえながらPPロープを引っぱります。
全体の形を整え、布ぞうり本体が編み上がりました。
裏側はこんな感じになります。
裏の処理は後でまとめてしてもいいですし、薄い生地なら編みひものつなぎ目は固結びしていても大丈夫だと思います。結び目がでこぼこして足裏にひびくような時は、結ばず編み目にくぐらせて隠していくとよいでしょう。
ハサミの先等で編みひもを押し込むように、余分な布はカットしながら処理をします。
つなぎ目の処理が完了しました。
4.前坪を作る
幅4cm、長さ30cmの布を2枚用意します。
裏を挟むように半分に折り、
一度開いて出来た中心線に向かって上下をさらに折り、四つ折りにします。
下記写真のガイドラインに沿って2〜3mmの縫いしろで縫っていきます。
前坪が出来ました。
5.鼻緒を作る
幅7cm・長さ60cmの布を2枚用意します。
布を中表にして半分に折り畳み、5mmの縫いしろで縫っていきます。
「中表」とは2枚の布の表側どうしを合わせることをいいます。
縫い終えました。
ループ返し(菜箸)でひっくり返します。
我が家ではループ返しがないのでいつも菜箸で代用しています。
身近にもっと便利なモノがありましたらぜひコメントお寄せくださいね。
半分以上返すとそこからは、たくって地道に引き寄せましょう。
2本ともひっくり返し終えました。
50cmのPPロープを左右分の2本用意します。
出来上がった鼻緒にPPロープを通します。
PPロープの先にはセロテープを巻いて先を細く尖らせ、通しやすくしておきます。
2本とも同じように作成します。
鼻緒の中心に前坪を取り付けます。
輪になったところに下の2本をくぐらせます。
鼻緒の部分が完成しました。
6.布ぞうり本体に鼻緒を取り付ける
前坪をぞうり本体に固定
爪先から5cmのところ、たて糸の真ん中に穴を開け、前坪のひもを裏側へ通します。
裏側にひっくり返して、出てきた前坪のひもで爪先から出ているひもとPPロープを挟んで結びます。
編みはじめのひもとPPロープは10cmくらい残してカットしておきます。
前坪の高さを1.0cm〜1.5cmくらいに調整します。
あとで微調整するのでほどけないほど、堅く結ばないでくださいね。
鼻緒をぞうり本体に取り付ける
かかとから10cmくらいのところ、たて糸の外側に穴を開け、鼻緒を通します。
裏側にひっくり返し、布だけたくってPPロープを出し、
不要なPPロープを斜めにカットしていきます。
PPロープを斜めにカットすることで、もたつき感を軽減することができます。
たくっていた布を戻し、最初に通した同じ場所に外側から内に入るように一周させて裏側に垂らします。
裏へ返して、鼻緒を固結びします。長さを再調整する必要がある場合は軽めに結んでおき、実際に足にはめてみてから長さを調整するとよいでしょう。
鼻緒が取り付けられました。
7.余分にはみ出した布等を処理して仕上げる
裏側の最終処理をします。
鼻緒のひも、前坪のひも、爪先のPPロープ、編みはじめの最初の編みひも、かかとの編みひもがそのままになっています。
鼻緒のひも、前坪のひも
ぞうりの幅かそれよりやや狭いくらいの幅ではみ出している部分をカットします。
あまり短く切りすぎないでくださいね。
履いているうちにひもが緩んできて、結び直す際に扱いにくくなってしまいます。
爪先のPPロープ
型が崩れないように布ぞうり本体を手で押さえ、PPロープをぐっと下にひっぱります。
編み目の間に通してPPロープを通し隠していきます。
裏の編み目を一段一段広げてPPロープを通し、見えないように隠していきます。
7〜8cmのところでPPロープをカットします。
編み始めの編みひも
編み目に沿うように隠し、編みひもが表から見えないようにする。
見えなくなりました。
かかとの編みひも
編み始めの編みひもと同様、編み目に沿って隠れるように編みひもを通します。
片足が完成しました。
もう片方も同じように編み上がりました。
ちなみに裏側はこんな感じです。
比較のために二通りの処理をしてみました。
編みひもつなぎ目の処理は固結びが簡単だと思います。
素敵な布ぞうりが完成しました。
他にはこんな作品ができました
ご覧になっていかがですか?
生地や色が違うだけで随分と雰囲気が変わりますよ。
ラッピングをすればプレゼントにも最適ですね。
こんなものでも作れます。
上記で掲載した編みひもはこんなもので出来ています。
実はニトリのひんやりケットのパイル地…。
3層になっていますが、ひんやり生地の部分は手作りマスク(肌面に使ってひんやり)にも使えます!
布ぞうりのサイズにもよりますが、3〜4足作れると思います。
想像以上にもこもこに仕上がり、足の形にフィットして夢のような履き心地。
追記(2021.8.15)
”滑って転倒するから危険”というご指摘を受けまして、当方簡単な防止策としてこちらのように滑り止めを施してみました。フローリングのご家庭が多いかと思いますので、Tシャツ生地であっても使い方によってはすべりやすい仕様になってしまうと思います。かかとだけ滑り止めをつけるだけでもそこそこの効果はありそうですが、今回は前後とも施してみました。鼻緒の紐は結びなおす事も考えて見えるようにしています。フリースで作成する場合は特に気をつけてください。
どこにでも販売されているとは思いますが今回はDAISOの滑り止めマットを使用しました。
簡単にハサミでカットできますので好みのサイズにカットして手縫いで縫いつけることができます。
布ぞうりは椎間板ヘルニアの後遺症でスリッパを履いて階段が上がれなかったので沢山つくりました
フリースは温かいのですが、ものすごく滑ります。なので出来ればやめたほうがいいです
何度か転びそうになりました
なるほど、フリース素材だと滑りやすいのですね。
私はフリースで作ったことがないのですが、Tシャツヤーンでも滑ることがありますので気をつけないとと思ったところでした。
おそらくフローリング等との相性の問題だと思うのですが、足裏に滑り止めなどを施すなどの工夫が必要かもしれません。
注意喚起を含めて後ほど追記しておきます。
you-koさん、ご指摘ありがとうございました。
とてもわかり易い説明と、写真が的確でした、やはり段々年と共に文章だけでは理解できなくなり、困ったなと思ってました。布とテキストを譲り受けたので、今月末友人二人で試行錯誤するつもりでしたが、そのテキストは文章だけなので、困ったなとネットで探していました。こちらのは、30分と書かれていて、その言葉に惹かれてしまいました。早速やってみます!
有難うございました
こんにちは。生地のマルイシ店長イシイです。
ありがとうございます。😊 またぜひ参考にしていただければ幸いです!
生地屋さんもやっていますのでよかったらお店にも来店いただけますと嬉しいです。
https://www.kijimaru.jp/
今後とも縫いナビをよろしくお願いします!
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