今回は異なる素材の生地で、大人と子供のおそろいエプロンをつくりました。生地選びの参考にしていただければ嬉しいです。
そしてエプロンといえば、じゃぶじゃぶ洗濯したいし、乾燥までかけたいもの。そんなときに便利な「袋縫い」をご紹介します!ジグザグミシンがうまく縫えない初心者さんも、簡単にきれいに、しかも丈夫に縫えます。
後半で詳しく説明しているので、最後までお付き合いください。
もくじ
今回使った生地
ふんわり柔らかい綿ポリダンガリー 無地 50cm単位 112cm幅 【商用可能】
使用した生地
ペールイエロー
商品番号 8000-1 ¥627税込
コットンっぽい ナイロン ウェザー 50cm単位 146cm幅 【商用可能】
使用した生地
ネイビー
商品番号 41178 ¥ 1,287 税込
親子エプロンの作り方と型紙
欲しくてもなかなか手に入らない柘植貴予さん(ツゲ製作所)のエプロン、通称ツゲエプロンはご存じでしょうか。
大人サイズも子どもサイズも1枚で3つの着方があって、一石三鳥のおいしいデザイン。
その大人気エプロンの作り方が『暮しの手帖』のバックナンバー、2018年に出版された4世紀93号に「ワンピースみたいなエプロン」として公開されています。いまだに図書館では順番待ち、中古でも入手困難な人気号ですが、機会があればぜひ読んでみてください。
今回はこちらの型紙を使って、生地の違いによる仕上がりの差などを見ていきたいと思います。
大人はフリーサイズ。子供はSとMがあり、園児サイズと小学生サイズが作れます。
型紙はなく、布に直接書いて切る(製図する)タイプのものです。
縫いナビですぐに作れるエプロン(無料型紙)はこちら
子供エプロンにオススメの生地「ふんわり柔らかい綿ポリダンガリー」
こどもには綿100%がいいと信じている人も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。
ところが、ここ数年でかなり身近なものとなっている機能性肌着、その洗濯表示を見てみると、必ずしも綿とは限りません。
もちろん肌に合う、合わないは個人差はありますが、実は直接肌に触れるものにも使われている化学繊維。機能で素材を選ぶという視点で生地選びをしてみると、ハンドメイドの幅がぐんと広がります。
ふんわり柔らかい綿ポリダンガリー 無地 50cm単位 112cm幅 【商用可能】
使用した生地
ペールイエロー
商品番号 8000-1 ¥627税込
綿ポリは水通しせずに縫い始めることができます
一般的に、生地は水に濡れると縮むので、縫い始める前にあらかじめ水に浸して縮ませておくことで、洗濯後の縮み、型崩れを防ぎます。その作業を水通しといいます。早く縫い始めたい我々にとって、「水通し不要」はとても魅力的です。
綿ポリはシワになりにくいので、洗濯しやすい。ずっときれい
洗濯した後に毎回アイロンがけをしなければいけないような生地では、エプロンをつくっても扱いづらいだけです。たたみジワはできますが、洗濯するとなくなる(着ていたらなくなる)のが不思議!アイロン要らずで、いつでもきれいなシルエットです。形状記憶シャツのようなイメージですね。
ギャザー向き、子供服向きな「ふんわり柔らかい綿ポリダンガリー」
子供服、特にギャザーをたくさん入れてつくるときに、布のハリが邪魔になることがあります。そのため、大人服よりも薄い生地、または柔らかい生地を選ぶようにすると、ゴワゴワせず、シルエットがきれいに出ます。かといって、ふんわり柔らかい綿ポリダンガリーは、ハリがなさ過ぎて縫いにくいということもなく、初心者さん向けの縫いやすい生地です。
大人エプロンにオススメの生地「ナイロンウェザー」
子供エプロンにオススメのふんわり柔らかい綿ポリダンガリーももちろんいいのですが、大人服のギャザーは、落ち感、揺れ感、もっと言うなら体型を隠しつつ着やせすることが大事ですよね。そういう意味で、生地選びは悩みどころです。
コットンっぽい ナイロン ウェザー 50cm単位 146cm幅 【商用可能】
使用した生地
ネイビー
商品番号 41178 ¥ 1,287 税込
コットンっぽいナチュラルさ
このコットンっぽいナイロンウェザーは、天然繊維に似た手触り、マットな風合いのある生地で、ナチュラルなデザインの洋服に使っても違和感なく、むしろ見た目と機能性を兼ね備えた服をつくることができます。
着心地は軽くてなめらか
日常使いするエプロンが重かったら肩が凝りますが、たっぷり生地を使ってたっぷりギャザーを寄せても重くありません。
ギャザーがなめらかにスルンとおさまって、スカート部分のシルエットがきれいに出るので、ハリのある生地より断然着痩せします。
ちょっと撥水
ナイロンの機能として、水が染み込みにくいという利点があります。
エプロンをしているのに服まで染みてしまったら意味がないので、水をはじいてくれる効果があると嬉しいですね。
エコバッグや、子供のお着替え袋にも最適です。
熱に弱くない
実は熱に弱いとされているナイロンですが、こちらのナイロンウェザーはなんと乾燥機OKとのこと。
乾燥機にかけてもしわにならないエプロンはありがたい!
ただし、高温のアイロンは生地が溶けるので温度に注意です。
ナイロンにしては扱いやすいけど…
ナイロンウェザーは綿ポリに比べるとちょっと扱いにくいです。
綿ポリ以上にシワになりにくいという特徴があるので、逆に言えばアイロンの折り目がつきにくく、扱いにはちょっとしたコツがあります。
薄くて柔らかい生地、アイロンがかからない生地を縫うときの4つの小技
①針と糸を薄地用に変えてみる
針は11号から9号へ、糸は#60から#90へ変えると縫いにくさが改善することがあります。
②縫い目が引きつるときにはミシンの設定を変えてみる
③アイロンなしでもぬいしろを開くズボラテクニック
④アイロンなしでもできる三つ折り方法
ミシンの扱いに慣れてきた人や、まち針がしんどくて仕方ない人には、まち針なしで一発で縫うズボラテクニックもご紹介しておきます。
こうしたコツを知っていれば、ナイロンウェザーはもちろん、裏地のような薄い布も怖くありませんよ。
ナイロンウェザーの商品ページには、店長の思いがたくさんつまった説明が書いてあります。
カラーも豊富で、どれも洋服向きの素敵なニュアンスカラー。生地だけ見ると写真映えはしないけれど、雰囲気のある無地の布の魅力は、洋服として形になったときに表れるんです。
綿ポリとナイロンウェザーの質感比較
参考までに、キッズサイズのエプロンをそれぞれの生地をつくってみました。
同じ分量のギャザーを寄せていますが、ナイロンはスカートの裾までヒダ(ドレープ)があり、綿ポリは少しハリがあってふわっと広がっていますね。
たくさん生地を使う大人サイズエプロンの場合は、より裾の広がり方に大きな差が出ると思います。
ハリのある綿ポリのほうが、ベルト部分がカチッとしています。
ナイロンウェザーでも、型崩れしたくないパーツには接着芯をあらかじめ貼っておくといいですね。
紐を結んだときのリボンの形は、ナイロンウェザーのほうが柔らかいですね。
親子エプロンで並べてみると、大きさが違うのでわかりにくいかもしれませんが、綿ポリはスカート部分がふわっとしており、ナイロンウェザーは落ち着いています。
ちょっとだけ縫うときにコツがいるナイロンウェザーですが、特に大人服にイチオシの生地です!サラサラしているナイロンウェザーのほうが足さばきもいいと思います。
今回使った生地
ふんわり柔らかい綿ポリダンガリー 無地 50cm単位 112cm幅 【商用可能】
使用した生地
ペールイエロー
商品番号 8000-1 ¥627税込
コットンっぽい ナイロン ウェザー 50cm単位 146cm幅 【商用可能】
使用した生地
ネイビー
商品番号 41178 ¥ 1,287税込
縫いナビで作れるエプロンの印刷済み型紙
記事の冒頭で紹介した無料ダウンロード版もありますが、印刷や切り貼りが面倒な方は、印刷済みのこちらをどうぞ。
自分で着れるお手伝いエプロン♪
子供用ギャザーエプロンの型紙
商品番号 apron-pattern ¥ 660 税込
リニューアルで使いやすくなりました
綿ポリダンガリーと相性が良いエプロン型紙 メール便4個まで【商用可能】
商品番号 woman-apron-102 ¥ 660 税込
なんと、お好きな生地を型紙どおりにカットしてくれるものも!
下準備なしで、届いたら秒でミシンに向かうことができる画期的な裁断サービス kitte 。
kitteがあれば、娘たちをハンドメイド仲間に取り込めそう。笑
【納期7日】【kitte対応】後ろまで布がある大人用エプロン
商品番号 apron-2-pattern-kitte ¥ 1,100 税込
とにかく丈夫な袋縫いで縫っています
切りっぱなしの布はほつれる!
布端の処理を何もしないと、使っているうちにどんどん糸が出てきてしまいます。
綿ポリはほつれにくく扱いやすい生地ですが、せっかくつくった作品がボロボロにならないために、布端の処理は必須です。
ほつれないようにする作業はめんどくさい!
切りっぱなしの部分を裁ち目といい、そこをほつれないように「かがる」ので、裁ち目かがりといいます。
直線縫いに比べて、裁ち目かがりはあまり楽しくないんですよね。
ジグザグがうまくできない!
ジグザグミシンとは代表的な裁ち目かがりですが、生地がくしゃっとなってしまいませんか。
裏側の縫い目なんて見えないところなのでくしゃくしゃでもいいのですが、よりきれいで簡単で洗濯に強い、丈夫な縫い方があります。
ジグザグより丈夫できれいな袋縫いの方法
生地の表を外側にして縫い合わせます。(外表)
縫い目を開いて裏を外側にして縫い合わせます。(中表)
開くとこんな感じ。裁ち目がぬいしろの中におさまるようになります。
切った面が表にも裏にも出ず、ミシンを2回かけることになるので、とても丈夫になります。
直線縫いだけでできるので、ジグザグに苦手意識のあるハンドメイド初心者さんにオススメのテクニック。
ジグザグするときのぬいしろ幅が1cmだとしたら、およそ1.5から2㎝幅のぬいしろを取れば袋縫いに変更できます。
子どものパンツや、使用頻度の高いエプロンなどに、ちょっと知っておくと便利な縫い方です。
長持ちする服を作ろう
1回着られればいいハロウィンの衣装などは、極端に言えば布用ボンドで事足ります。
せっかく作るなら、丈夫な生地選びと丈夫な縫い方でたくさん着られる普段着を作って、たくさん着せてたくさんめでたいですよね。子供服ハンドメイドの醍醐味ですね!
ということで、ここからは、めでタイムです。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。
余談ですが、うちの三姉妹の繊細なお肌は、服の素材が綿かどうかよりも洗濯洗剤による影響が大きかったです。