今回は、ハンドメイドベビー服enannnaさんの「今さら聞けない 手芸の基礎がよくわかる!はじめての子ども服」よりコートの作り方をご紹介します。
「コートを作る」というとむずかしそうに聞こえるかもしれませんが、シンプルな形なので意外と簡単に完成させることができますよ!
肩のフリルとゆったりしたシルエットが今っぽくてとても可愛らしく着ていただけます。
ぜひ作ってみてくださいね♪
コートを作るのに使用した本
準備するもの
- 生地(各サイズの必要な生地の長さは下の表をご参照ください)
- 接着芯
- 伸び止めテープ(1.2cm幅70cm)
- ボタン(21mmのもの4個)
- チャコペン(フリクションでもOK)
- マチ針(クリップでもOK)
- ハサミ
- 定規
- 糸
- 目打ち
- リッパー
- ほつれ止め
- ハトロン紙
- アイロン
- ミシン
サイズ | 90cm | 100cm | 110cm | 120cm | 130cm |
表生地(110cm幅) | 160cm | 170cm | 180cm | 190cm | 200cm |
接着芯(100cm幅) | 50cm | 60cm | 60cm | 70cm | 70cm |
洋裁本では余裕を持った用尺で記載されることが多いです。
今回100cmサイズで作りましたが、1.5m購入したツイル生地で作ることができました!
コートを作るのに使用した生地
今回は、こちらのツイル生地を使用して作っていきます。
コットン こだわりの国産ツイル 50cm単位 110cm幅 【商用可能】
商品番号 8660 ¥682 (税込)
使用したカラー:コーヒーブラウン
たくさん色があって迷いましたが、秋っぽいコーヒーブラウンで作りました。
優しい色合いのブラウンです。
こちらの親子コーデュロイでも作ってみました。太うねと細うねが親子のように順に並んでいるコーデュロイです。ネーミングもかわいいですね。
コットン ふんわり やさしい 親子コーデュロイ 50cm単位 【商用可能】
商品番号 8210 ¥1,650(税込)
使用したカラー : ブロンド
幅広生地なので、100cmサイズは1m購入した生地で作ることができました!
少しストレッチが効いていますが、伸びることなく、普通のコーデュロイと同じ感覚で縫うことができました。
同じパターンでも生地が違うとイメージが変わりますね!
見返しとポケット裏はこちらのピーターラビットのリバティプリントを使っています。
コートは脱いで持ち歩いたり、かけておいて裏が見えることが多いので、お気に入りのプリント柄やチェックなどを柄物を見返しに使うのもおすすめです。
ポケット裏だけなら小さいハギレも使えるので、捨てられないハギレの活用にもぴったりですね。
早速、コートを作ってみよう
コート作りをするのには、9つの工程があります。
- 型紙を写す
- 生地を裁断する
- 後ろ身頃の中心を縫う
- ポケットを作る
- 肩を縫う
- フリルを挟み、袖をつける
- 袖下と脇を縫う
- 身頃に見返しにつけ、裾を上げる
- ボタンホールを開け、ボタンをつける
この9つの工程について、一つずつゆっくりみていきましょう。
布端の処理に使う裏側のパーツを「見返し」といいます。
1.型紙を写す
巻末の型紙を広げて、作りたいサイズの型紙を手芸用のハトロン紙または模造紙などの薄くて大きな紙に写しましょう。
前身頃、後ろ身頃、前見返し、後ろ見返し、袖、フリル、ポケット袋布の7つのパーツを写します。
型紙を写す時は、外側の線だけでなく、袖と身頃を合わせる時などの合印(あいじるし)や矢印の布目線、フリルのタックの印、後ろ見返しの「わ」も忘れずに写しましょう。
全部書き写したら、線に沿ってハサミで切り取りましょう。
2.生地を裁断する
生地の両端の耳が合うように縦半分に折り、型紙をマチ針で固定します。
後ろ見返しは、生地の折り目と型紙の「わ」の部分が合うように固定します。
型紙に写した矢印の布目線は生地の耳と平行に合わせましょう。
型紙には縫い代がついていないので、縫い代分外側にをチャコペンで線を引きます。
縫い代が指定されていないところは1cmです。
袖口と裾の縫い代は3cmなので気を付けましょう!
袖口の縫い代は、出来上がり線で折り返したときに袖下の縫い代とぴったり合うように開いて描くと、袖口が縫いやすく、すっきりと仕上げることができます。
5mmごとに線のついた透明の方眼定規があると簡単に縫い代を測って書くことができますよ。
100均でも売られているので探してみてください。
チャコペンの線に沿って裁断しましょう。
袖やヨークなどの合印に2mmから3mm程度の切り込みを入れます。
切り込みを入れるのが心配な方は、チャコペンで印をつけてもOKです。
生地に2mmから3mm程度の切り込みを入れて、印をつけることを「ノッチ」といいます。
縫う時にノッチを合わせて縫っていきます。
裁断できました。
フリル布は洋裁本では4枚用意して2枚ずつ裁ち切りで外表に合わせてつけています。
今回使用した生地はこの方法では布端がほつれてきそうだったので、フリル布は2枚用意し、縫い代を1cm追加して、布端を三つ折りにして使用しています。
表と裏の区別がつきにくい生地の場合は、表にマスキングテープなどを貼っておくと、後で縫うときにどちらが表だったのか迷わずにスムーズに作業ができるのでおすすめです。
接着芯を裁断して、生地の裏側に貼る
前後見返しに接着芯を貼ります。
前後見返しの型紙に合わせて接着芯を裁断しましょう。
後ろ身頃の肩と前身頃のポケット口に伸び止めテープを貼ります。
伸び止めテープがない場合は、接着芯を1cm幅に切ったものでも代用できます。
それぞれの生地の裏側にアイロンで接着芯を貼ります。
接着芯は、ざらざらしたのりのついた面を生地の裏側に重ねます。
アイロンはスルスル動かさずに、10秒ずつぐっと押さえてから持ち上げて次の箇所に移動するようにするときれいに貼れますよ!
仕上げに表側からもアイロンをかけましょう。
接着芯を貼りました。
3.後ろ身頃を縫う
生地の準備ができたら、さっそく縫っていきましょう。
後ろ身頃の2枚の生地を表が内側になるように合わせて、マチ針で固定します。
表と表を合わせて重ねることを、中表(なかおもて)といいます。
両肩を合わせた布端から1cmのところをミシンで縫います。
ミシンの1cmのガイドに布端を合わせて縫いましょう。
布端から1cmのところを縫うことを「縫い代1cmで縫う」といいます。
縫い合わせた布端がほつれてこないように、2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンで端処理します。
縫い代をアイロンで右側に倒します。
後ろ中心の縫い目から5mm右側をミシンで縫って、縫い代を押さえます。
4.ポケットをつける
前身頃にポケットをつけます。
脇の縫い目を利用したポケットの付け方で、スカートやパンツにも同じ方法でつけることができます。
脇ポケットやシームポケット、スラッシュポケットと呼ばれています。
前身頃のポケット付け位置と袋布のポケット付け位置を中表に合わせてマチ針で固定します。
ポケットの裏にリバティなどの別布を使用する場合は、ここで別布を使用します。
ポケット付け位置を縫い代1cmで縫います。
縫い代に1cmで切り込みを入れます。
縫ったミシン目は切らないように注意しましょう。
ポケット袋布を身頃の裏側に返してアイロンで整えます。
縫い代5mmで縫います。
もう一枚のポケット袋布を外側が表になるように合わせて固定します。
布端から4mmのところを縫います。
アイロンで内側が表になるようにポケット袋布をひっくり返します。
布端から6mmのところを縫います。
ポケット口の上下の袋布と身頃の脇を縫い代5mmで仮止めします。(赤い点線)
ポケット口を3回程度返し縫いで補強します。(青い点線)
もう片方のポケットも同じように縫いましょう。
5.肩を縫う
前身頃と後ろ身頃の肩を表が内側になるように合わせて、マチ針で固定します。
布端から1cmのところをミシンで縫います。
縫い代は2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンで端処理します。
縫い代をアイロンで後ろ身頃側に倒します。
縫い目から5mm後ろ身頃側をミシンで縫って、縫い代を押さえます。
6.フリルを挟み、袖をつける
フリル布は洋裁本では4枚用意して2枚ずつ裁ち切りで外表に合わせてつけています。
今回使用した生地はこの方法では布端がほつれてきそうだったので、フリル布は2枚用意し、縫い代を1cm追加して、布端を三つ折りにして使用しています。
フリルの外側を三つ折りにする
フリルの外側を5mmの三つ折りにします。
生地の端がほつれてこないように、布端を2回折って、3枚重ねた状態にすることを三つ折りと言います。
カーブの三つ折りをきれいにするためにカーブに粗ミシンをかけましょう。
ミシンの縫い目を5mm程度の粗い目に変更します。
カーブ部分に5mm程度の縫い目で縫います。
縫いはじめと縫い終わりは返し縫いをしないで長めに残しておきましょう。
粗ミシンとは5mm程度の粗いミシン目で縫うことを言います。
今回のようにカーブを折る時やギャザーを寄せるときに使います。
粗ミシンの残しておいた糸を引っ張りながら、フリルの外側を裏側に5mm折り、更に5mm折り、三つ折りにします。
内側の折り山から1mmのところをミシンで縫います。
カーブ部分は2mm程度の細かめのミシン目でゆっくり縫うときれいに仕上げることができますよ!
フリルにタックを寄せ、身頃に仮止めする
フリルの印の位置でタックを寄せてマチ針で固定します。
身頃部分のタックは外側に向かって寄せて、肩のタックは後ろ身頃側に向かうように寄せます。
縫い代7mmでタックを仮止めします。
身頃とフリルを中表に合わせてマチ針で固定します。
真ん中のタックが肩に合うように合わせましょう。
縫い代7mmで縫って、フリルを身頃に仮止めしましょう。
身頃に袖をつける
袖口をアイロンで三つ折りにしておきましょう。
裏側に1cm折って、更に2cm折ります。
袖と身頃を中表に合わせてマチ針で固定します。
まず、両端と合印を固定してから間も止めていきます。
縫い代1cmで縫います。
縫い代は3枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンで端処理します。
縫い代をアイロンで身頃側に倒します。
縫い目から5mm身頃側をミシンで縫い、縫い代を押さえます
もう片方も同じように作業しましょう。
7.袖下と脇を縫う
脇と袖下を中表に合わせてマチ針で固定します。
袖下から脇を縫い代1cmで縫います。
ポケット口は内側のポケット布を縫わないように注意してギリギリを縫いましょう。
縫い代は2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンで端処理します。
脇と袖の縫い代をアイロンで後ろ身頃側に倒します。
三つ折りにする袖口と裾の縫い代を三角に切り落としておきます。
三つ折りポイント
三つ折りにして重なる部分の縫い代を切り落としておくと、段差ができずに縫いやすく、きれいに仕上げることができます。
袖口を先ほど折ったアイロンの折り目に沿って三つ折りにし、マチ針で固定します。
内側の折り目から2mmのところを縫いましょう。
袖口は、袖を表にして、袖口から裏を覗きこむように縫うと縫いやすいですよ!
8.身頃に見返しをつけ、裾を上げる
見返しを縫う
後ろ見返しと前見返しの肩を中表になるように合わせて、マチ針で固定します。
縫い代1cmで縫いましょう。
縫い代はアイロンで割ります。
見返しの外側をジグザグミシンまたはロックミシンで端処理します。
見返しの外側をアイロンで裏側に7mm折ります。
折り山から5mmのところを縫います。
身頃に見返しをつける
裾をアイロンで1cm裏側に折り、更に2cm折って三つ折りの折り目をつけます。
身頃と見返しを中表に合わせてマチ針で固定します。
裾から襟ぐりを通って反対側の裾まで、縫い代1cmで縫いましょう。
上下のカーブの形は左右で形が違うと目立つので、型紙を重ねて出来上がり線をチャコペンで描いてから線に沿って縫うと、きれいに仕上げることができます。
裾と上端のカーブ(上下4箇所)の縫い代を5mm程度にカットします。
襟ぐりの縫い代に1cm間隔で切り込みを入れます。
縫ったミシン目を切ってしまわないように注意しましょう。
見返しが身頃の裏側にくるように、アイロンでひっくり返します。
表生地が裏側に1mm程度出るように整えると表から見返しが見えないので、仕上がりがきれいです。
洋裁本などでは「見返しを1mm控える」と書かれていることもあります。
見返しの端から5mmのところを縫います。
見返しが上になるように縫った方が縫いやすくてオススメです。
裾を上げる
裾をアイロンの折り目に沿って三つ折りにして、マチ針で固定します。
内側の折山から2mmのところを縫いましょう。
仕上げに見返しの縫い代と肩の縫い代を手縫いで縫い止めます。
この一手間で見返しがめくれてしまうのを防ぎます。
9. ボタンホールを開けて、ボタンをつける
まず、前身頃に型紙を重ねて、ボタンつけ位置にチャコペンで印をつけます。
着た時に上になる方がボタンホール、下になる方がボタンです。
ここでは女の子用のコートなので右上になるように、右前身頃にボタン穴かがりを縫っていきます。
ボタンホールを開ける
ミシンをボタンホールかがりの設定に変更しましょう。
印から縦向きにボタン穴かがりを縫います。
ボタンホールかがりの上の糸のすぐ下にまち針を横向きに固定して、リッパーで下からグッとさして押し上げ、ボタンホールを開けます。
生地の厚みなどによって力の入れ具合が違ってくるので、同じ生地のハギレで練習してから開けるといいですね!
私はボタンノミとカッティングマットを使ってボタンホールを開けています。
下にカッティングマットを敷いて、ノミでグイと押すときれいにボタンホールを開けることができます。今回のボタンホールは大きいので2回に分けて開けています。
ボタンホールの裏側からほつれ止め液をつけて、穴を開けた箇所がほつれてこないようにしておきましょう。
ボタンをつける
1つ目のボタンは上端が揃うように、印から2mm程度下の位置につけます。
2つ目以降は、印の位置からボタンの半径分(1cm程度)下にボタンをつけましょう。
こうするとボタンホールの真ん中にボタンがくるのできれいです。
今回のボタンはタカシマボタンさんで購入しました。貝ボタンを中心に素敵なボタンがたくさんあり見ているだけでもワクワクします!
今回はカジュアルな雰囲気のものと相性がいいと書いてあったナットボタンを選びました。
完成です。
93cmが100cmサイズを着用しています。袖が長かったので折り返しています。
ゆったりシルエットなので、今年ジャストで着るならワンサイズ下でもよかったかもしれませんが、せっかくなので来年もたくさん着てもらおうと思います♪
コートを作るのに使用した生地
今回は、こちらのツイル生地を使用して作りました。
コットン こだわりの国産ツイル 50cm単位 110cm幅 【商用可能】
商品番号 8660 ¥682 (税込)
使用したカラー:コーヒーブラウン
たくさん色があって迷いましたが、秋っぽいコーヒーブラウンで作りました。
優しい色合いのブラウンです。
こちらの親子コーデュロイでも作ってみました。太うねと細うねが親子のように順に並んでいるコーデュロイです。ネーミングもかわいいですね。
コットン ふんわり やさしい 親子コーデュロイ 50cm単位 【商用可能】
商品番号 8210 ¥1,650(税込)
使用したカラー : ブロンド
幅広生地なので、100cmサイズは1m購入した生地で作ることができました!
少しストレッチが効いていますが、伸びることなく、普通のコーデュロイと同じ感覚で縫うことができました。
洋裁の基礎となるポイントを中心に写真付きの工程がたくさん載っているので他の洋裁本を見て作るときにも手元に置いておきたいテキスト的な存在です。
enannaさんらしいかわいらしさがプラスされたデザインなのもお気に入りです。